島暮らしのよろこび、つくり手としてのこだわり

海sora /柑橘農家

林豊さん

2016.03.08

「40歳になったら農家になりたい」という想いを胸に、穏やかな瀬戸内海にひかれて大阪から移住した林豊さん。自然栽培にこだわるみかん農家や養蜂を営む傍ら、地域活性化イベントの立ち上げや実行委員、さらには有志でのユニークな宴会企画など精力的に日々を過ごしています。

 

大三島を愛し、地元の人からも慕われている林さん。そのパワーの源はどこにあるのか伺ってみました。

 

――大三島のどんなところを魅力に感じますか?

 

これは実際に島に来たらわかることかもしれませんが、「何とも言えない不思議な安心感」ですかね。海は穏やかだし、冬も過ごしやすいし、台風や地震、雪などの災害も少ない。そして、季節ごとの景色が美しいです。例えば2月初めごろからは、寒気も抜けて海がキラキラと輝くんですが、そういったところがすごく好きですね。

 

――林さんが作るみかんは、甘さと酸味のバランスが絶妙でとても驚きました。栽培でこだわっていることは何ですか?

 

僕のところではみかんの他にもネーブル、八朔、タマミ、レモンなど色々な柑橘を育てていますが、すべて自然栽培(無肥料・無農薬)にこだわっています。肥料をあげたほうが単純な収穫量は増えますが、植物は甘やかさないほうが、自分で養分を作って美味しくなるんですよ。

手間と技術が必要なポイントとしては、植物の持つ力を活かす剪定ですね。果実には日に当たったほうがいいと言われることもあって、通常は木が横に伸びるような剪定をされていますが、僕の場合は「たち枝」という地面と垂直に伸びる枝を残した剪定をしています。

まぁ、これも先輩農家さんに教わりながら、うまくできるようになるまでは数年かかりましたね。

 

 

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――季節ごとの島での楽しみ方は?

 

一年を通じて自然のものを採って楽しんでいます。特に春はおすすめです。夏は海にはあまり入らないですね。家の脇道を降りるとすぐにビーチで絶好のロケーションなんですが、「いつでも入れる」と思うと逆にタイミングがつかめなくて(笑) イカやタイなど、釣りは好きですね。秋冬は柑橘の収穫シーズンなので、準備も含めてそちらに集中しています。

 

 

――ご自宅にはたくさんの楽器があるんですね!

 

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ウクレレやケーナ、いただきものの中国の太鼓など色々ありますよ。最近のマイブームは、三線ですかね。夏も沖縄料理を食べながら三線を楽しもうと、若い子たちと「沖縄ナイト」と名付けた飲み会を開いて港で盛り上がりました。一人で弾いても楽しいですが、歌や笛などで合わせてくれる人がいたら最高ですね。

 

――皆さんへのメッセージはありますか?

 

とにかく一度、大三島に来てみてください。やさしい島の空気や風にふれると、きっと感じることがあると思います。抽象的なコメントになってしまうのですが、やっぱりパソコンやテレビの画面からではわからない感覚ってありますからね。待ってます!